道路脇に立つヒマラヤスギの伐採依頼をいただきました。
道路を走っていると遠くからでも目立ちます。
冬の強風をまともに受ける位置に立ち、枝折れや倒木の不安があるようです。
また、すぐ隣には電線があり、枝の接触による断線の心配もあるようです。
住宅裏には建設会社の重機や資材置き場になっており、頻繁に出入りがありました。
そのため、クレーン車を使っての伐採は難しいと判断し、
樹上に登り伐採することにしました。
ちなみに、”スギ”という名前が付いていますが、マツの仲間です。
このヒマラヤスギの樹高は18mほどですが、高さ4mくらいの位置から幹が分岐しており、
高さも太さも様々な大小7本ほどの幹が伸びています。
例えるならば、縄文土器のような形をしているのですが、
それぞれの幹から伸びている枝葉が絡み合い、枯れ枝がものすごく多く、
樹木内部は真っ暗でよくわかりません・・・。
まずは樹木内部の絡み合う枝を取り除き、それぞれの幹がどのような状態であるかを確認します。
枯れ枝などを取り除くことで見違えるほど明るくなり、
樹木中央部に大きな空間を作ることができました。
道路から住宅に向けて宅地内電線や電話線が、対象樹木の樹冠ギリギリを通っており、
これらに引っかからないように枝葉・幹を処理する必要があります。
幸い、樹木中央の住宅側に最も太く高い幹が立っていますので、これを上手く使います。
具体的には、この一番太く高い幹の上に荷下ろし用のロープの起点を作り、
周りの枝や幹を先ほど作った中央の空間にすべて集めて、真っすぐ下におろしていきます。
下↓の写真で垂れている白いロープの位置に沿って、枝や幹が下りてくるイメージです。
まずは、中央付近に近い幹から下ろしていきます。
中央の空間がさらに大きくなり状況が良く見えるようになりました。
次は、下↓の画像の右側の3本の幹のうち、中央側に近い左側の幹に取り掛かります。
幹の上部に荷下ろし用のロープを結び付け、幹元付近からまるごと切り離します。
下↓の画像は切り離した直後の画です。
少し見難いですが、起点となる左側の太い幹側に切り離した幹がぶら下がっています。
幹と枝の重量を考えながら、順次、ロープを使って中央付近に下ろしていきます。
残すところあとわずかです!!
周りの幹はすべて切り終わりました。
残す一本を上から切り下ろしていきます。
最後に根元から伐倒し、完了です。
幹や太い枝は薪材として利用していただきました。