植物の根も呼吸する?土の中も空気が必要!
稲作の田植えの時期ですね。
新潟県の長岡市あたりでは、ゴールデンウィークの時期が田植えシーズンのようです。
この時期は、田んぼの水面が鏡のようになり、キレイな青空や夕焼けを映してくれます。
故郷の近くに田んぼがなかった私にとっては、稲作の風景は新鮮に感じます。
以前、そんな田んぼを見ていて、ふと、疑問に思ったことがありました。
「なぜ、イネは水浸しの状態でも育つのか?」と・・・
もちろん、イネの他にも川辺に生えているヨシも同じような状態です。
しかし、身近にある多くの植物(庭木、植木鉢、畑の野菜など)は水に浸かった状態では生きていけません。
なぜならば、
土の中の根も呼吸をしなければならない!
からです。
根は土の中に隠れているためか、意外とこのことが忘れられているような気がします。
植物といえば、葉で二酸化炭素を吸収し、水と太陽の光で酸素を作りだす「光合成」は有名ですが、
太陽が沈んだ夜の間、葉は酸素を吸収して二酸化炭素を出す「呼吸」をしています。
(呼吸は昼間もしていますが、太陽の光が十分な場合、光合成の方が優位になります)
同様に、根も呼吸をするために酸素を必要とします。
水浸しの田んぼでは、イネの根は酸欠状態になってしまうのでは?と思うのですが、
実は、イネは茎葉から根へ空気が通る組織がよく発達しており、
大気中の酸素が植物の中を通って根へ送られやすいため、根が酸欠状態になりにくいのです。
とはいえ、イネの根が決して酸欠状態にならないというわけではありません。
イネの根もやはり多くの酸素を必要とします。
ほとんどの植物は、イネのような仕組みが発達していないため、
根の周り、つまり土の中に空気(酸素)が十分にある状態を作ってあげなければなりません。
ただし、先日のブログ記事の通り、成長のためには土の中に「水」もなくてはなりません。
空気が通り易く(通気性がある)、水持ちの良い(保水性がある)土
なんか矛盾しているような・・・と思われた方もいるのではないでしょうか?
このような理想的な土の状態を「団粒構造」といいますが、これについては別の機会に紹介します。
最後に、質問です。
通気性の良い土に樹木を植えたけど、時間が経って空気が十分に通らない土に変わってしまったら、
そこにずっと植えられている樹木の根はどうなると思いますか?
もし、皆さんがプールの中でずっと泳いでいたら、息をするために水面に上がりますよね?